投球と送球 

02/04/03付で「あまり野球に詳しくない方のために」のページに追加したものですが、条項番号の繰り下げ(2.59→2.60、2.76→2.77)に伴い、こちらに移します。

08年版 『公認野球規則』

2・60 PITCH「ピッチ」(投球)――投手が打者に対して投げたボールをいう。(8・01)
 【原注】あるプレーヤーから他のプレーヤーに送られるボールは、すべて送球である。
2・77 THROW「スロー」(送球)――ある目標に向かって、手および腕でボールを送る行為をいい、常に投手の打者への投球(ピッチ)と区別される。


一般的なマスメディアでは、『公認野球規則』の定義に従い、「投球」と「送球」は区別して使われています。

「投球」とは、ピッチャーが打者に対して投じたものです。「送球」とは、野手(投手を含む)が、打者または走者をアウトにするために、あるいは進塁を防ぐために投じたものです。

ホームスチールが企てられた場合、ピッチャーがプレートを外してキャッチャーに投げたら、それは「送球」です。打者に対する「投球」ではありません。打者が打ってもよく、ストライク・ボールがカウントされるのが「投球」であり、それ以外は単なる「送球」です。

したがって、ショートが一塁に「投球」することなどあり得ません。すくなくとも、「セットポジション」ではありません。もしあったら、それは私の誤りです。
2008/04/23(水)| 野球用語 | コメント(0)

画竜点睛/画龍点睛 

「4人目のあと1人、10度目のあと1球」のページに次のような記述がありました。


http://set333.net/nettoo03ato1ri.html#ato1

もし、ノーヒットノーランになったとき、選手名が1人でも抜けては画龍点睛を欠くことになる。


固有名詞については「龍」も使うことにしていますが、それ以外は平易な文字を用いたいと思いますので、「画竜点睛」に置き換えました。おそらく「睛」に引きずられて「龍」を用いたものと思われます。


Googleのフレーズ検索では次のようになりました。やはり「画竜点睛」のほうが優勢です。


 "画竜点睛" の検索結果 約 132,000 件
 "画龍点睛" の検索結果 約 41,700 件
 "画竜点晴" の検索結果 約 5,600 件
 "画龍点晴" の検索結果 約 5,320 件


「画竜点睛」の「睛」は目へんで、「晴れ」は日へんです。両者はまったく別の文字であって、「睛」は「晴」の旧字体ではありません。

2008/04/17(木)| 未分類 | コメント(0)

けっして/決して〜ない 

「殿堂」の「野村克也」のページには次のようなセンテンスがありました。


ヘンリー理論やコーチ理論は、チーム順位だけで監督を評価せずに、チームの戦力に応じた尺度を提示したという点で新鮮には違いないけれども、監督の手腕に対する評価としては、けっして絶対的なものではないし、万能でもない。


今回、このページに次のセンテンスを加えました。


弱いチームを任されて(引き受けて)通算勝率を下げるのは、監督としてはむしろ名誉なことであって、決して悲嘆すべきことではない。


もともと「けっして〜ない」だったページに「決して〜ない」が加わり、結果的に<ひらがな>と<漢字>が同じページに混在することになってしまったわけです。


副詞は<ひらがな>表記が一般的ですが、「そんなことはない」のだと強調しようとすると、俄然<漢字>を用いたくなります。Googleで複合フレーズ検索してみると次のようになりました。


 "けっして" "ない" の検索結果 約 2,380,000 件
 "決して" "ない" の検索結果 約 1,660,000 件


強調したい場合は「断じて〜ない」に置き換えることができそうです。そこで、先のセンテンスは「断じて」を用いることにしました。


私はこれまで同一ページで混在しなければよいという立場でしたが、これでは具合が悪いことがわかりました。今回のようにもともとあった文章は<ひらがな>なのに、追加したものは<漢字>という現象(あるいはその逆)が起きてしまうわけです。


そこで、今後は<ひらがな>表記に統一し、強調したいときは「断じて」を用いることにします。「セットポジション」内をGoogle検索してみたら、かなり揺れています。


  • スコア>いやな予感がする けっして「演技」だったわけではない
  • スコア>最多ファウルは11本 けっして嫌いなわけではない
  • ルール>ビデオ判定を考える 決して、「抗議」を受け入れるわけではない(→変更済)
  • ルール>場内アナウンスの妙 けっして彼女の怠慢によるものではない
  • ルール>ソフトボールのルール(2) 決して賞賛すべき行為ではないとしても
  • 球場>日曜の朝 決して小さくはない
  • 殿堂>岡林洋一 けっして、うなだれたり、うつむいたりはしていなかった
  • 殿堂>佐藤康弘 決してコントロールが悪かったわけではない
  • 殿堂>内*** 決して全力ではなかったが
  • 殿堂>野村克也 けっして絶対的なものではないし
  • 殿堂>農山貴祥 けっして派手なKO劇ではなかった
  • 九番勝負>後半勝負 けっして調子がいいわけではなかった
  • 九番勝負>金星 けっして試合内容にすぐれているという意味ではない
  • 女子軟式>1勝への1歩 けっして「1」にはならない
  • 高校>選手権大会「ウラ優勝校」 決して最弱校を意味するわけではない
  • 高校>東京も秋の関東大会へ参加せよ! けっして「言い訳」だけではない
  • 高校>「野球留学」を考える 決して均等ではない
  • 予想>02年センバツ予想 けっしてマンモス校というわけではない
  • 社会人>この試合は私だけのために 決して短いわけではない
  • 社会人>夏秋連続出場 決して万人向けのものではない
  • プロ>オリーブの首飾り けっして足が速いわけではない
  • プロ>10年目の決算報告(04〜07年) 決して足の遅い選手ではない (→変更済)
  • ガイド>「剽窃」事件の顛末 決して小規模というわけではありません
  • 管理人>自分のための… 決して自由気ままに飛び回っているわけではない(→変更済)
  • 管理人>リンクのページ 決して60数年前の出来事ではない

こんなページまでありました。お恥ずかしい…。


大学>イントロダクション

東京六大学リーグとその他のリーグは決して「同格」ではない。ジャイアンツとその他の11球団がけっして「同格」ではないのと似ている(→変更済)


頁末では「07/09/15校正チェック済」になっていましたが、実際にはやっていないのではないかという疑いがあります。


=08/06/13追記=


上に掲げたページについては、対処を完了しました。

2008/04/13(日)| 漢字/ひらがな | コメント(0)

lineup 

まずはGoogleのフレーズ検索です。


 "ラインアップ" の検索結果 約 1,820,000 件
 "ラインナップ" の検索結果 約 10,500,000 件


Yahoo!のフレーズ検索では次のようになります。


 "ラインアップ" で検索した結果 約15,200,000件
 "ラインナップ" で検索した結果 約44,900,000件


ちなみに、Yahoo!辞書のプログレッシブ和英中辞典では「ラインアップ」で項目が立っており、プログレッシブ英和中辞典や新グローバル英和辞典で「lineup」を検索すると「ラインアップ」と表記されています。


goo辞書では、大辞林、デイリー新語辞典、EXCEED和英辞典、EXCEED英和辞典が「ラインアップ」です。三省堂は一貫しているようで、デイリーコンサイス国語辞典やコンサイス カタカナ語辞典も「ラインアップ」です。


世間一般では「ラインナップ」優勢ですが、辞書の世界では依然として「ラインアップ」のようです。自動車やバイクのメーカーでは、トヨタ、マツダ、ヤマハ、カワサキが「ラインナップ」派、日産、ホンダ、三菱、スズキ、ダイハツは「ラインアップ」派です。


新聞協会は「ラインアップ」でしょうが、紙メディアではなく波メディアの一部には協会加盟にもかかわらず「番組ラインナップ」と表記しているところもあります。


困ったことに、「セットポジション」では両者が混在しています。


テーブルスコアの読み方

「+」はラインアップの選手、「-」はその時点ではまだ出場していない選手(またはすでにラインアップから退いた選手)を示します。


指名打者ルール

4番DH・ブーマーで5番ファースト・門田というラインナップにできるのだ。


検索してみると、同じ悩みを抱いた人がいるようです(頁末外部リンク参照)。私は、その質問者さんとは異なり、「ラインナップ」はすでに市民権を得ていると判断して「ラインナップ」表記で統一することにして、「テーブルスコアの読み方」のページは「ラインナップ」に置き換えました。


「ラインナップ」をローマ字入力する場合、「rainnnappu」とNを3回重ねなければなりません。手間のかかる「ラインナップ」を多くの人がわざわざ選んでいるという事実を重視したいと私は考える次第です。


なお、「クリーンアップ」または「クリーンナップ」は「セットポジション」での使用例はありません。「ワンアウト」は5ページに6件ありますが、「ワンナウト」はゼロです。これらをGoogleでフレーズ検索してみると次のようになります。


 "ワンアウト" の検索結果 約 48,700 件
 "ワンナウト" の検索結果 約 11,800 件
 "クリーンアップ" の検索結果 約 743,000 件
 "クリーンナップ" の検索結果 約 167,000 件


私のなかでは「クリーンナップ」はまだ許せますが、「ワンナウト」は許せません。


外部リンク
 OKWave>ラインナップとラインアップはどちらが正しい?

2008/03/30(日)| 外来語 | コメント(0)

思いがけないハプニング 

ありがちな重言ですが、今まで気づきませんでした。「殿堂」の「飯田」のページです。


思いがけないハプニングに観客席はまだざわめいていた。


先般、Wordの校正チェックをかけてみて初めて気づいた次第です。なにしろ作成日が00/08/17のファイルですから、われながらお恥ずかしい話です。穴を掘ってしばらく身を潜めたくなります。


「思いがけないハプニング」をGoogleでフレーズ検索すると5600件ヒットします。実数が3分の1だとしても2000件近くあるわけです。小学校の校長先生や絵本の編集担当者も使っています。三重テレビの記者さんとか、(純粋な記事ではありませんが)朝日新聞社のWebページもヒットします。仲間が多くてホッとしたりして…。


気づきにくいのは直接的に文字がかぶっているわけではないからでしょう。ミスター語には重言が多く、「秋の秋季キャンプ」などは文字にすると一発でわかります。「春のスプリングキャンプ」や「1年目のルーキー」も聞いただけで重言だとわかりますが、「決してネバーギブアップしません」は一瞬思考が止まります。


Web辞書の英和辞典で「happening」を調べてみると「出来事、事件、偶発事」としか記載されておらず、国語辞典で「ハプニング」を調べると「思いがけない出来事」です。だとすれば、「思いがけないハプニング」はNGだとしても、「思いがけないhappening」ならOKなのではないかとも言いたくなります。


まあ、英語は別にしても日本語としてはやはり重言でしょうから、模範的ですが「思いがけない出来事」に改めました。「過去ログ」や「チゲ鍋」も本来は重言ですが、前者はすくなくともネットでは完全に認知されているでしょうから私は使います。後者も「鍋」をつけたほうがわかりやすいと思われます。

2008/03/23(日)| 重言 | コメント(0)