「止める」には「と・める」、「とど・める」、「や・める」と複数の訓読みがあります。 「セットポジション」内で「止め」を検索してみました(引用部分は除きました)。
- 戒めとして受け止めて(強者でもなく、賢者でもなく)
- 時間を止めてほしい(茜色と漆黒とアンリ・ルソー)
- 三塁コーチにとって、回すか止めるか(外野手守備成績・1)
- 二塁で止めておけば(1085日ぶりの雪辱)
- 亀谷を呼び止めて(26イニング目の日没コールド)
- 空車のタクシーを止めようかと(お情け無用)
- 高知が決勝連敗を「10」で止めて(地方予選決勝の戦績・西)
- 打者アウトの時点でプレイを止める(ボークのペナルティ)
- 打者がアウトになった時点でプレイを止めれば(同)
- プレイを止めたとき(同)
- 審判がプレイを止める(同)
- 中途半端に止めてしまうと(同)
- 審判が勝手にプレイを止めた(同)
- 審判が止める間もなく(ソフトボールのルール・1)
- 悪くても一塁手が止められる範囲に(オブストラクションと移動ベース)
- 止めたバットにボールが当たって(ルールを変えた男)
- 息を止めて(私の好きな球場)
- 靴下止め(球場観戦7つ道具)★2例
- 日焼け止め(同)★3例
- 手を止めれば(同)
- 歯止め(同)★
- 翌年の代表を射止めていた(代表決定戦3連敗)
- 最後の椅子を射止めた(同)
- 新潟は7年連続を止めた(連続初戦突破と連続初戦敗退)
- 三塁コーチは止めた(コーチの制止を振り切って…)
- 回すか止めるか(同)
- 審判はCが打席に入るのを止めることができない(打順間違いミスい事件)
- 審判はこれを止めなければならない(同)
- 6枠目を射止めた(07年センバツ予想)
- 時計を止めるために(ビデオ判定を考える)
- 41年ぶりの代表を射止めた(金星)
- 流れていくのは止められない(鳥取にみる1県1代表制のカゲ)
- くじ引きでオリオンズが射止めた(10年目の決算報告・1)
- 名前で止めたほうが(場内アナウンスの妙)
- 連勝を「20」で止める(台風一過の6試合日)
- 止めた判断は適切だったのかもしれないけれども、同じ止めるなら、三塁を回ったところで止めればいい(同)
- 好意的に受け止められた(ポストシーズンゲームはこうしろ!)
- 素直に受け止めてくれる(リンクポリシー)
- そう受け止められてしまうなら(外来語のカタカナ表記等について)
★印の複合名詞を含めて「セットポジション」内のすべての「止め」は、「とめ」(濁って「どめ」)と読ませています。「とどめる」や「やめる」と読ませることはありません。
同じように、「セットポジション」内を「留め」で検索してみました。
- セカンドゴロに仕留めて(後半勝負)
- ライトフライに仕留めたのは(同)
- 後続を3三振に仕留めた(茜色と漆黒とアンリ・ルソー)
- 3者凡退に仕留めた(オリーブの首飾り)
- 蒲生原をライトフライに仕留めた(26イニング目の日没コールド)
- 左の諸麦をライトフライに仕留めた(同)
- 併殺に仕留めた(オブストラクションと移動ベース)
- 三振に仕留めた(佐藤康弘)
- 挟殺プレイで仕留めた(恐るべし、亜細亜)
- 挟殺プレイに仕留める(同)
- 3者凡退に仕留めた(左打者は左投手が苦手だろうか?)
- セカンドライナーに仕留めた(金星)
- 牽制アウトに仕留めれば(あまり野球に詳しくない方のために)
「留める」には「と・める」と「とど・める」の読みがありますが、「セットポジション」では「仕留める」という複合動詞でしか使っていません。実は、1件だけ「書き留めて」があったのですが、これは「書きとめて」に改めました。郵便の「書留」を連想させるので、私はあまり好きではないのです。
どうやら私の規準は次のようになるようです。
- 「止める」は「とめる」という読み以外では使わない。
- 「留める」は「仕留める」以外では使わない。
- 「とどめる」は常に【ひらがな】表記とする。
- 「やめる」は辞任や辞職の場合を除いて【ひらがな】表記とする。
多くの場合、前後の文脈によって「とめる」と読むのか、「とどめる」と読むのか、「やめる」と読むのか、区別することができます。それでは、次の場合はどうでしょうか?
テレビ朝日サイトへのリンクについて(http://www.tv-asahi.co.jp/link/) 理由の如何にかかわらず弊社が、リンクを止めるよう請求した場合は、リンクを止めて頂くものとします。
リンクは「とめる」でもよさそうですし、もちろん「やめる」でも問題はありません。テレ朝さんはいったいどう読ませたいのかとても気になります。もっとも、この読点の打ち方はかなり怪しいわけで、その程度の人物の見解を問うたところで何の参考にもならないでしょうけど…。
東都大学野球連盟Webサイトのトップページに「当連盟の代表として東洋大学が出場し優勝を収めました」とあります(07/11/25現在)。
優勝は「収める」ものでしょうか。まあ、「治める」ではないでしょうし、「修める」もつらいところですが、「納める」でもいいような気がします。私なら迷うことなく【ひらがな】に逃げますが、これは面白いはずだと思ってGoogle検索してみました。
"優勝を収め" の検索結果 約 13,800 件 br>
"優勝を納め" の検索結果 約 5,960 件 br>
"優勝を修め" の検索結果 約 2,060 件
「おさめる」の使い分けは、熟語を連想すればいいとよく言われます。「セットポジション」では「収録」の意味合いで「おさめる」を使うことが多く、この場合は当然「収める」でいいわけですが、熟語連想式では「収納」が浮かんだときに困ります。
さて、「優勝をおさめる」に関連する熟語は何でしょう? 容易には思いつきません。そこで、ありがちな言い回しの「優秀な成績をおさめる」を調べてみました。表彰状では【ひらがな】に逃げるのが難しいはずです。
"優秀な成績を収め" の検索結果 約 81,200 件 br>
"優秀な成績を納め" の検索結果 約 2,200 件 br>
"優秀な成績を修め" の検索結果 約 32,900 件
やはり「収める」が多数派のようですが、大学によっていろいろです。
「セットポジション」では「座りが悪い」を3ページで、「座りがいい」を2ページで使っています。「座りが悪い」の3件はすべて「いささか座りが悪い」だったりします。「いささか」でなければ「ちょっと」を使うでしょうが…。
ご指摘があったのは別のページですが、1つだけ使用例を掲げておきます。「ポストシーズンゲームはこうしろ!」のページです。
ページシステムは予選リーグが1組の場合には、いささか座りが悪い。
私は「座りが悪い」でいいと思っていましたが、「すわる」という動詞で考えたときは、たしかに「据わりが悪い」が正しいのでしょう。Web辞書最大手?の大辞林で「すわる」を検索してみました。
すわ・る0 【座る・▼坐る・据わる】
(動ラ五[四])
[1] 膝(ひざ)を折り曲げたり、腰をかけたりして席につく。
・ 畳に―・る
・ いすに―・る
[2] 人がある位置・地位などにつく。
・ 部長のポストに―・る
[3] ぐらぐらしないで、安定する。《据》
・ 腰が―・る
・ 赤ん坊の首が―・る
[4] 一か所に定まって動かなくなる。《据》
・ 目が―・る
[5] 落ち着いて物に動じなくなる。《据》
・ 肝の―・った人だ ・ 性根が―・る
<略>
なるほど。ちなみに、Yahoo!辞書には大辞林と大辞泉がありますが、大辞泉では「座る」と「据わる」は別項目が立てられています。 ところで、大辞林で「すわり」を検索すると、次のようになっています。
すわり0 【座り・▼坐り】
[1] すわること。
・ ―場所
[2] 据えたときの落ち着き具合。安定。
・ ―が悪い
答えが出てしまいました。「すわりがいい/悪い」の「すわり」はやはり「座り」でいいようです。 いつものように、Googleでフレーズ検索してみました(いずれも07/10/15現在)。
"座りが悪い" の検索結果 約 21,000 件
"据わりが悪い" の検索結果 約 764 件
"すわりが悪い" の検索結果 約 9,290 件
"座りがいい" の検索結果 約 840 件
"据わりがいい" の検索結果 約 2,680 件
"すわりがいい" の検索結果 約 5,980 件
"座りが良い" の検索結果 約 16,100 件
"据わりが良い" の検索結果 約 1,530 件
"すわりが良い" の検索結果 約 2,630 件
「いい」では「すわり」>「据わり」>「座り」の順ですが、「悪い」と「良い」では「座り」>「すわり」>「据わり」の順です。書き直したほうがいいかもと思っていたのですが、圧倒的な大差です。これならスルーしてもよさそうです。 いわゆる知識人層でも「座りが悪い」は使われています。日本地震学会や中岡望氏は別にしても、日本近代文学専攻の大学の先生も使っています。「〈ことば〉ノート」というブログの
「ブログの効用」には次のように記されています。
とにもかくにも座りが悪いことだけを追記しておくことにいたします
ちょっと意外だったのが、次の検索結果です。
"肝が座る" の検索結果 約 777 件
"肝が据わる" の検索結果 約 1,850 件
"根性が座る" の検索結果 約 1,050 件
"根性が据わる" の検索結果 約 105 件
"性根が座る" の検索結果 約 141 件
"性根が据わる" の検索結果 約 36 件
"度胸が座る" の検索結果 約 786 件
"度胸が据わる" の検索結果 約 788 件
"腹が座る" の検索結果 約 9,230 件
"腹が据わる" の検索結果 約 817 件
"目が座る" の検索結果 約 41,600 件
"目が据わる" の検索結果 約 4,430 件
"首が座る" の検索結果 約 941 件
"首が据わる" の検索結果 約 13,300 件
辞書的には「据わる」が正しいはずですが、「据わる」が優勢なのは「肝」と「首」ぐらいです。「“腹が座る”は“肝が据わる”の誤用だ」というWebページもありましたが、「座る」のほうがどっしり落ち着いている感じがうまく出ているような気がします。
まあ、さすがに「首が座る」には少し抵抗がありますけど…。
「最近の初出場校」のページに次のような文章がありました。
鹿児島も80年の川内実(→れいめい)を最後に初出場がなかった。奈良と違うところは、春も変わり映えがしないことだ。
今年の始めからですが、「セットポジション」では各ページの更新に際して、ワープロソフトの校正チェックをかけています。「変わり映え」に対して「代わり映え」の誤りであるとのメッセージが出ましたので、Googleでフレーズ検索してみました(07/08/07現在)。
"代わり映え" の検索結果 約 285,000 件 br>
"変わり映え" の検索結果 約 198,000 件 br>
"替わり映え" の検索結果 約 1,010 件 br>
"代り映え" の検索結果 約 742 件 br>
"変り映え" の検索結果 約 10,300 件 br>
"替り映え" の検索結果 約 368 件
なるほど「代わり映え」のほうが多数派です。Yahoo!辞書でもgoo辞書でもInfoseek辞書でも「変わり映え」では検索できません。私はただ変化がないと言いたかっただけなので、「変わり映え」でいいと思っていましたが、辞書的には「代わり映え」が正しいようです。
まあ、たしかに否定語を伴わない場合には「変わり映え」ではおかしいかもしれません。もっとも否定語を伴わない用法を目にしたことは(たぶん)ありませんけど…。「代わり映え」にするのも癪なので、次のように変え(代え?)ました。
奈良と違うところは、春も顔ぶれが固定していることだ。
=「2代目んだ」より移記=何度か統一しようとしたのですが、きちんと扱っていなかったので、結果的に統一されていませんでした。Googleでフレーズ検索すると、次のようになりました。
"ペナルティを科す" の検索結果 約 819 件
"ペナルティを課す" の検索結果 約 28,300 件
「ペナルティを科す」で最初にヒットするのは経済産業省のWebページですので、ここでサイト内検索してみました。「ペナルティを科す」は6件、「ペナルティを課す」は45件でした。
もともと、これは微妙なのです。辞書の用例は「刑罰を科す」「罰金を科す」に対して「税金を課す」「義務を課す」です。「科す」が刑罰に限定されるならペナルティは「課す」のだという考え方もできますし、ペナルティは刑罰に準ずるのだからペナルティも「科す」のだと考えることもできます。
それでは、「不利益」は「科す」のでしょうか。それとも「課す」のでしょうか? 同じようにGoogleでフレーズ検索しました。
"不利益を科す" の検索結果 約 2,220 件
"不利益を課す" の検索結果 約 769 件
多数派に従うなら、ペナルティは課すものであって、不利益は科すもののようです。
さて、刑罰である「科料」が「科す」のは当然としても、行政罰である「過料」ははたして「科す」のか「課す」のか、やはりフレーズ検索しました。
"過料を科す" の検索結果 約 14,900 件
"過料を課す" の検索結果 約 2,740 件
埒があかないので、法令データ提供システムで調べてみました。
過料を科す 8件
過料を課す 該当なし
刑罰でない過料も法律の条文では「科す」になっていました。
児童福祉法第62条の3 都道府県は、条例で、次の各号のいずれかに該当する者に対し十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。
そうすると、「科す」は刑罰限定と考えなくてもよさそうです。「セットポジション」においては、あえて少数派に甘んじて「(野球のルール上の)ペナルティは科す」ものだという形で統一したい気分にもなるのですが、「科す」か「課す」かは棚上げして、「与える」や「設ける」で対処していこうと考えています。
=以下、コメントです=posted by 風丸 | 2007/05/27 1:07 AM |へぇっ。
私の感覚では「ペナルティを課す」は誤字。
なぜこんな文章をわざわざ書かれるのかと違和感を持つほどに。
ちなみに、共同通信社表記も「ペナルティーを科す」ですね。
感想につき、ご返信は不要です。
=08/03/11追記=まだ1年たっていませんが、再度フレーズ検索してみました。
"ペナルティを科す" に一致する日本語のページ 約 8,230 件
"ペナルティを課す" に一致する日本語のページ 約 89,500 件
"不利益を科す" に一致する日本語のページ 約 5,800 件
"不利益を課す" に一致する日本語のページ 約 13,200 件
1年足らずで本当にこんなに増えるものなのか疑問に思わないわけではありませんが、「ペナルティ」については「課す」が圧倒的に多くなり、「不利益」も「課す」が逆転しています。
今回、「セットポジション」のあるページを更新しました。その際、引用部分に「ボークが課せられた」とあるため、私自身も「ボークが
課せられた」と記述していた箇所を「ボークが
適用された」に改めました。私は「課す」にいささかの抵抗を感じているのですが、引用元のオリジナルは(元)新聞記者さんが書かれたものです。