抜き出る 

『報知高校野球』08年7月号の西東京のページに「抜き出た候補は見当たらず混戦必至」との見出しがあります。うーん…。

「抜きん出た候補」ならOKでしょうし、見出しとしては適切ではないとしても「抜け出しそうな候補」でもOKですが、「抜き出た候補」はNGではないかと私には思われます。

"抜き出る" の検索結果 約 11,500 件
"抜け出る" の検索結果 約 123,000 件
"抜きん出る" の検索結果 約 38,700 件

"抜き出た" の検索結果 約 22,000 件
"抜け出た" の検索結果 約 111,000 件
"抜きん出た" の検索結果 約 87,200 件

まあ、「仕事で頭ひとつ抜きん出る裏トーク術」という本なら読んでもいいかなと思いますが、「抜き出る男は第一印象で差をつける」をサブタイトルにした本は、私はノーサンキューです。はい。
2008/06/28(土)| 未分類 | コメント(0)

画竜点睛/画龍点睛 

「4人目のあと1人、10度目のあと1球」のページに次のような記述がありました。


http://set333.net/nettoo03ato1ri.html#ato1

もし、ノーヒットノーランになったとき、選手名が1人でも抜けては画龍点睛を欠くことになる。


固有名詞については「龍」も使うことにしていますが、それ以外は平易な文字を用いたいと思いますので、「画竜点睛」に置き換えました。おそらく「睛」に引きずられて「龍」を用いたものと思われます。


Googleのフレーズ検索では次のようになりました。やはり「画竜点睛」のほうが優勢です。


 "画竜点睛" の検索結果 約 132,000 件
 "画龍点睛" の検索結果 約 41,700 件
 "画竜点晴" の検索結果 約 5,600 件
 "画龍点晴" の検索結果 約 5,320 件


「画竜点睛」の「睛」は目へんで、「晴れ」は日へんです。両者はまったく別の文字であって、「睛」は「晴」の旧字体ではありません。

2008/04/17(木)| 未分類 | コメント(0)

小数点○位で切り捨て 

2ちゃんねるでお叱りを受けていたようです。

もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ@理系板@33
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/rikei/1182207481/616n-

701 :Nanashi_et_al.:2007/08/18(土) 22:58:10
0.12を少数点以下を第2位で切り捨てにするといくつになるのですか?

704 :Nanashi_et_al.:2007/08/19(日) 00:04:23
>>701
0.1

707 :Nanashi_et_al.:2007/08/19(日) 00:57:38
>>701
「で切り捨てにする」というアイマイな日本語が気に入らんな。
学校でそう教わったのかな?

ググってみたところ、0.123を「小数点以下第2位で切り捨てた」場合、
0.12と解釈している人と、0.1と考えている人がいるようだ。
ttp://hiro2.pm.tokushima-u.ac.jp/~hiroki/major/eulercal.html
ttp://www.kufs.ac.jp/toshokan/hikaku.htm
は前者、
ttp://set333.net/josi05ruikann.html
は後者ですな。
「切り捨てる」例が少ないので(大抵は四捨五入だから)ハッキリとはいえないが、
大学関係者は前者、大学以外は後者の考えの人が多いようだ。

早い話「先生の教えに合わせとけ」ってことで。


私は「小数点2位で切り捨て」を「小数点2位を切り捨てて小数点1位まで表示する」という意味で使っているのですが、「小数点2位まで表示するから小数点3位を切り捨てる」という意味でも使われているようです。

どちらの意味で使っているかは、そこに示されている数値を見れば一目瞭然です。この場合に肝心なことは端数処理の方法ですが、「小数点2位切り捨て」ではなく「小数点2位切り捨て」と書けば“曖昧”さを回避できますので、そのように処置することにしました。変更は次のとおりです。

●女子軟式>塁間と使用球の比較
小数点3位(ミリ単位)切り捨てています。
 ↓
小数点3位(ミリ単位)以下を切り捨てています。

小数点2位を切り捨て
 ↓
小数点2位以下を切り捨て

●プロ>打率3割の攻防
「打率」は小数点4位四捨五入したものです。
 ↓
「打率」は、小数点4位四捨五入したものです。

試合開始前の打率(小数点5位切り捨て)
 ↓
試合開始前の打率(小数点5位以下を切り捨て)

「6桁」は、最終打率を小数点7位切り捨てたものです。
 ↓
「6桁」は、最終打率の小数点7位以下を切り捨てたものです。

●プロ>竜虎のデッドヒート
ここまでの勝率は小数点4位四捨五入でしたが、ここからは小数点5位切り捨てです。
 ↓
ここまでの勝率は小数点4位四捨五入していましたが、ここからは小数点5位以下を切り捨てました。

06年の勝率のみ小数点6位切り捨てです。
 ↓
06年の勝率のみ小数点6位以下を切り捨てています。

●高校>いつか、テイクオフ
勝率は小数点4位を四捨五入していますが、4桁表示のときは小数点5位を切り捨てています。
 ↓
勝率は小数点4位を四捨五入していますが、4桁表示のときは小数点5位以下を切り捨てています。

●大学>チーム最少打数21
勝利数を2で割ると(小数点以下切り捨て)
 ↓
勝利数を2で割ると(小数点以下切り捨て)

●スコア>先頭打者を打ちとれ!
14.952%(小数点2位四捨五入して15.0%)
 ↓
14.952%(小数点2位四捨五入して15.0%)

というわけで、2ちゃんの名無しさん、サンクスでした。
2008/03/10(月)| 未分類 | コメント(0)

こんばんは/こんばんわ 

手紙を「こんにち○」や「こんばん○」で書き始めることはまれです。「前略」や「拝啓」が書き出しになっているメールをもらうことはあまりありません。私自身、書き言葉としての「こんにち○」や「こんばん○」を使うようになったのはメールを始めてからです。

どちらが「正しい」かは明らかですが、気になって04/09/21にGoogle検索したことがあります。

 「こんにちは」 約 3,630,000 件
 「こんにちわ」 約 587,000 件
 「こんばんは」 約 1,350,000 件
 「こんばんわ」 約 693,000 件

当時も「は」派が優勢ですが、「こんばん○」ではその比率が2:1でした。改めて検索してみました。

 "こんにちは" の検索結果 約 141,000,000 件
 "こんにちわ" の検索結果 約 8,870,000 件

 "こんばんは" の検索結果 約 28,000,000 件
 "こんばんわ" の検索結果 約 11,000,000 件

「こんにち○」も「こんばん○」も、「は」派がリードを広げています。

さて、この問題に関しては、実は大いなる疑問があるのです。ネット上では、昭和61年7月1日に現代語仮名遣いが内閣告示されるまで「こんばんわ」が正しかったとの記述が溢れています(「こんにち○」は従前も「は」が正しいそうです)。

それなら、昭和61年6月以前に発行された国語辞典では「こんばんわ」とされているのでしょうか? あいにく私の手元にはそんな古い国語辞典がないのですが、もしお持ちの方は調べていただけるとワトソン君は飛び上がらんばかりに喜びます。

ちなみに、青空文庫をサイト内検索した結果は次のとおりです。

 こんにちは の検索結果のうち www.aozora.gr.jp からの日本語のページ 70 件
 こんにちわ の検索結果のうち www.aozora.gr.jp からの日本語のページ 7 件

 こんばんは の検索結果のうち www.aozora.gr.jp からの日本語のページ 18 件
 こんばんわ の検索結果のうち www.aozora.gr.jp からの日本語のページ 1 件

昭和61年6月以前は「こんばんわ」が正しかったのだとする通説には疑問があります。

さて、それはそれとして、私は「こんばんわ」や「こんにちわ」も認めていいのではないかという気がしてきました。「今日は、お元気ですか?」と漢字表記で読点を打ったとき、「きょうは」なのか「こんにちは」なのか、わからないからです。ひらがな表記にすれば、まったく問題はありませんが…。

という次第で、「こんばんわ」と「こんにちわ」には(少し)寛容になれるのですが、「でわでわ」で結ばれたメールをもらうと嫌悪感が残ります。

まあ、いくらなんでも作品名まで自己流を押し通すのは勘弁してほしい気がします。

 サガン "悲しみよこんにちは" の検索結果 約 20,400 件
 サガン "悲しみよこんにちわ" の検索結果 約 622 件

【外部リンク】
 誤字等の館>誤字等の談話室 30
 『こんにちわ』撲滅委員会>こんにち○を検証する
2007/11/11(日)| 未分類 | コメント(0)

すべからく 

01年9月27日、第153国会の所信表明演説において小泉首相は次のように語りました。

第百五十三回国会における小泉内閣総理大臣所信表明演説
進化論を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」という考えを示したと言われています。


微妙な言い回しですが、小泉氏(のスピーチライター)はダーウィンが語った(書いている)と述べているのではありません。

実は、私はその半年前にこの言葉を聞きました。やはりダーウィンの言葉として聞かされたのです。正確に覚えているわけではありませんが、おおむね次のようなものでした。

すべからく強い者が生き残ったわけではない。すべからく賢い者が生き残ったわけでもない。すべからく変化に対応した者が生き残ったのだ。


あれっ? 「すべからく」って?

もともと「すべからく」は、「すべからく〜すべし」で「〜する必要がある」という意味になるはずです。「べし」を伴わずに単独で「すべて」の意味で用いるのは誤用です。

まあ、ご本人はもったいぶって(偉そうに?)そうおっしゃったのでしょうが、この言葉を聞いたとき、原文はいったいどうなっているのだろうかという疑問が芽生えたのでした。

この言葉はどうやら『種の起源』に書いてあるらしいとわかって、古本屋で入手したのは01年夏のことでした。私が『種の起源』を読み終えてまもなく、ちょうどタイミングよく小泉演説があったという次第です。

私が読んだ『種の起源』には、そんな言葉は見つかりませんでした。小泉演説では「ダーウィンは〜という考えを示したと言われている」とされていて、『種の起源』と特定されているのではありません。

図書館でダーウィンに関する本を読んでみましたが、やはりこの言葉に類するものは見つかりませんでした。ないことを証明するのは困難です。「悪魔の証明」になってしまいます。

この言葉を聞いて1年後、ようやく私はネット上で信頼できる結論にたどり着きました。これは後世の創作であり、ダーウィン自身が語ったものではない、と。ダイヤルアップ接続だった当時、野球以外でネットにつなぐことはほとんどありませんでした。発見が遅れたわけです。

信頼できる結論とは次のページです。

 ■ダーウィンは「変化に最も対応できる生き物が生き残る」と言ったか?

まあ、発端は「すべからく」でしたが、「セットポジション」にはこれをネタにした「強者でもなく、賢者でもなく」というページがあります。先頃、アクセス解析を覗いてみたら、このページのアクセスが07/08/30にブレイクしています。

ほとんど例外なく検索エンジン経由でした。きっと、どなたかがこの言葉を使ったのでしょう。誰が使ったのか、とても気になりますので、ご存じの方がおられましたらご教示ください。

なお、「セットポジション」においては、「すべからく」を「すべて」の意味で用いることはありません。
2007/09/06(木)| 未分類 | コメント(0)